2020年8月号
1000種類、100兆個のおなかに住む小さな住人たち。
夏真っ盛り、力強いお日さまを浴びてうちの隣にある露地畑の夏野菜たちも、なんだかとても嬉しそうそうです。
もしも私たちも光合成ができる体だったら?
おひさまをお腹いっぱいにもらえる夏ほど嬉しい季節はないんですけどね(笑)
「おなかの中の小さな住人」
皆さまのおなかの中には、目にみえない小さな番人がたくさん住んでいて、
その番人たちは、その人の健康や体型、体質、そして性格までも影響を与えています。
さて、その小さな住人とは何でしょう?
わからない方のために、ヒントを少々^^。
その番人は、人の進化とともに生きてきたので、地域によってその番人の能力は違っています。
その番人は、人が食べたものを利用して生きていて、その人が生きるために必要な物質を、
常に作り続けています。
その番人を大切にしてあげないと、人は不健康になったり、性格が攻撃的になったり、
急に太ったり、シワが増えたり、体臭や口臭が発生したりします。
ここまで言えば、もうおわかりですよね?
でも、まだわからない方だけのために、最終スペシャルヒントです。
その番人は、主に腸の中に住み着いていて、さまざまな特徴を持ったものが全部で
100兆以上いると言われていて、全部の重さを足すと1500g程度になるそうです。
答えは、腸内細菌と言われている微生物です。
え?おなかの中に微生物がいるの?
と驚かれる人はさすがにもう少なくなってきていると思います。
生まれてすぐのおなかの中は無菌状態ですが、赤ちゃんが初めて微生物と出会う場所は、
お母さんの産道です。それからお母さんの母乳や唾液、肌、食べ物、土、空気など、
いろんなところに住む微生物菌を口から入れようとします。赤ちゃんがなんでも舐める
っていう行為。実は、生きるために必要な本能なんですよ。汚いからと言って、
その行為を止め続けると、将来にわたって、おなかの中の番人のバランスが崩れてしまって、
本来必要な体の機能がうまく働かなくなると言われています。
昔と比べて最近の子供に増えてきたアレルギーも、これらによって免疫機能が崩れて
しまった結果なのかもしれませんね。一説によると、3歳までで一生涯の腸内の微生物の
バランスが決まってくると言われているので、子供の時にいかに微生物と触れさせるか
ということがポイントかもしれません。
たくましく生きるとは、たくましい微生物をおなかの中に定住させるということと
言えそうですよね。とは言え、不潔な環境にしすぎると感染症などの別の問題が心配なので、
ここはひとつ、代々、言い伝えられてきた「3秒ルール」をもう一度復活させることも
考えないといけませんね(笑)
とにかく、何事もバランスが大切ってことですよね。
さて話は変わって、おなかの中の微生物たちの役割についてです。
先のクイズのヒントで少し触れましたが、最近の研究によって、
いろんな役割がわかってきたんです。
今までは、食べた物を消化したり吸収したりすることや免疫の調整がそのほとんどだと
思われていたのですが、実は、肌質や体型などの体質から、穏やか・攻撃的などの性格、
そして理論的、感情的などの考え方までも、これらの番人の影響を
受けているということがわかってきたようです。
おなかの調子が崩れたときに肌荒れがひどいとか、気分がすぐれずに怒りっぽくなって
しまったとか、あの人はすごく食べているのになぜか太らないとか、更年期の友達は
症状が出ずにうらやましいとか。全てとは言えませんが、それもおなかの中に住む
微生物たちによる個人差かもしれませんね。
先日テレビ番組で、病気に、元気な人の微生物を腸に移植したら、その病気がすぐに
良くなったという特集をみました。ひとつひとつの体の悩みも、将来は、このようにして
改善していく世の中になっていくのかなって想像してしまいました。
それまでは、おなかの番人たちのために自分でできることをやっていきましょうよ^^
例えば、お味噌汁やお漬物のような発酵食品とか、食物繊維たっぷりのお野菜などを
積極的に食べるなど、おなかの中に住む微生物が喜ぶ食生活にすることは、
自分でできることだと思うんです。
日頃は、あんまり意識しないおなかの中の微生物たち。その子たちを常にいたわって
あげる生活に変えた瞬間、あなた自身も、きっとその子たちからの贈り物を受け取る
ことになるでしょう。そして、その受けとった贈り物が、別の形となって、
周りの人たちの幸せにつながっていく。そういう人生って素敵だと思いませんか?^^
腸の健康習慣
お腹で元気に遊びまわる元気な子。
どこか控えめな元気な子。
みんなの味方の元気な子。
こころの根っこを活発に。
こころの音色を高らかに奏でる。
笑顔を綺麗にしてくれる。
のらりくら~り歩いてく。みんなと一緒に歩いてく。
何気ない日が楽しくなるような、
なんとなくの時間がワクワクするような。
ひとときの時間に色につけてくれる。
お腹の中から応援してくれる、「今日も一日元気でね。」
お腹の中からメッセージ、「今日も一日お疲れ様。」
誰かに言われると嬉しい一言、
そんな音色聞きたくはないですか?