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2021年2月号

日々を楽しむ七十二候

日本の季節は五日ごとに移り変わります。
それは七十二候と言われるもので、二十四節気と同じく古代中国で作られました。
この七十二候は何度も変更されてきたようで、江戸時代に入って
日本の気候風土に合うように改定され、今のものは明治時代に改定されたものだそうです。
季節の香りや色彩、感触を五感で楽しむ日本ならではのカレンダー、七十二候。
今回は、そんな季節の表現を四季ごとに少しだけご紹介します。

春「桃始笑」
【啓蟄】 次候 桃始めて笑く(もも はじめて さく)

七十二候の八番目に当たり、3月10日から14日頃の候です。桃は、梅が咲いた後、次節の春分に桜が咲く前に、つぼみがほころび始め、4月上旬頃に満開を迎えます。昔は花が咲くことを「笑う」と表現したそうですね。なんとも幸せな表現だと思いませんか。ちなみに「山笑う」とは春の季語で、芽吹き始めたおだやかな山を表現する言葉です。

調べてみると、桃は弥生時代の頃には既に日本に伝わっていたそうです。古来中国では邪気を祓う神聖な木として信じられてきたようで、日本でも桃には邪悪なものを祓う力があると言われているのですね。だから雛祭りには桃の花を飾るようになったのでしょうか。そう言えば桃から生まれた桃太郎も鬼を退治しますよね。

 

夏「桐始結花」
【大暑】 初候 桐始めて花を結ぶ(きり はじめて はなを むすぶ)

7月22日から27日頃の第三十四候です。大暑のこの時期、初夏に咲いた花が卵形の実を結ぶそうです。七十二候では、花が咲くことは、前述の「笑」や「華」「開」などの言葉で表現されているのですが、この花を結ぶというのは花が咲くことではなく、実になるということなのです。

桐は10メートル以上にもなるほど大きく、花も高いところに咲くので、地上からは見えにくいのですが、昔から高貴な木とされていて、家紋や紋章のに取り入れられてきました。そう言えば500円硬貨も桐が使われているのですね。そして桐と言えばタンスですよね。桐は抗菌や防湿効果に優れており、また火に強くて燃えにくいので、着物などの大切なものを収納したり保管するタンスには、とにかく最適なんだそうです。

 

秋「楓蔦黄」
【霜降】 末候 楓蔦黄ばむ(もみじ つた きばむ)

11月2日から6日頃。楓 (かえで) や蔦の葉が色づき、山々は錦繍という言葉のように、錦と刺繍をほどこしたごとく彩られます。実はこの地球上の森林の中で、落葉樹林が広く分布している地域は多くはないそうで、紅葉が見られるのは、東アジア・北米・欧州の一部の地域に限られているようです。特に日本の紅葉の美しさ、鮮やかさは世界でも有数で、寒暖の差や地形の変化などの気候風土のおかげで、彩りの豊かさ、色のうつろいの繊細さは、この国特有のものなのですね。

また、秋の山が紅葉することを「山粧う(よそおう)」ともいい、俳句の秋の季語に使われます。ちなみに蔦で有名な甲子園球場では、2006年、球場リニューアルに伴って伐採されたのち、2009年に再び植栽がスタート。建物全体を覆い尽くすまで、あと20年以上はかかるそうです。

 

冬「雉始雊」
【小寒】 末候 雉始めて雊く(きじ はじめて なく)

1月16日から20日頃。オスの雉はメスへ求愛するために、「ケーンケーン」と甲高い声で鳴くそうです。昔話などで馴染みのある鳥ですが、警戒心が強くニワトリと同じように主に地上に生息しているため、人の気配を感じると茂みなどにすぐ隠れてしまうので、なかなか出会えないのかもしれません。

1947年に日本鳥学会の多数決により、雉は国鳥に決まったそうです。あの美しい鶴、タンチョウや、ニッポニアニッポンという学名がついているトキを抑えて、日本固有の鳥という理由で選ばれたのです。その肉は、平安貴族にも愛好されていたらしく、雉の切身を焼いて熱燗の清酒をかけた「御雉子(おきじ)=雉子酒」というものは、天皇が正月の祝いに用いたとされているというから、なかなか格調の高い鳥なのですね。

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