2021年2月号
季節のうつろいと、美しい“ことのは”たち。
「気候」って、なんでこういう呼び方になったのかなぁ。そう思って、調べてみたら、『二十四節気の「気」と七十二候の「候」からきている』って、書いてある記事をみました。
二十四節気というのは、太陽の高さが一番低くなる「冬至」と一番高くなる「夏至」、その間の「春分」「秋分」の四つを起点に、一年を十五日ごと二十四等分したものなんだとか。そして、気象などの自然の変化をさらに詳しくとらえることができるように、それをさらに三等分し、季節が五日ごとにめぐる「七十二候」が作られたそうです。
立春から見ておりますと、
東風解凍(はるかぜこおりをとく)2月4日頃
春の風が川や湖の氷を解かし始める頃。
黄鶯睍睆(うぐいすなく)2月9日頃
山里で鴬が鳴き始める頃。
魚上氷(うおこおりをいずる)2月14日頃
水がぬるみ、割れた氷の間から魚が飛び跳ねる頃。
こんな感じで、なんとも言えない短くも美しい言葉が、一年を通じてつけられています。なんていうか、一日一日を大切に過ごしてきた日本人の豊かさを感じますねぇ。
この季節になりますと、祖母が自転車で、保育園まで送ってくれたことを何故か思い出します。保育園は坂の途中にありました。今のように電動アシスト自転車などがない時代。そのときは全然思わなかったけど、今となっては、ほぼ毎日ペダルをこいであの坂をのぼってくれてたんだと。感謝です。
ひょっとしたら、人それぞれに、七十二候のようなものがあるのかもしれないな。