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2021年8月号

東京旅立ち物語

4月3日(土)

朝の4時過ぎに目が覚めた。
とてもいい天気で、ベランダから見える朝焼けの
淡いグラデーションがとても綺麗で、写真を撮った。

ここからの景色も今日で最後かぁ、
なんて思いながら少しだけぼうっと外を眺めて、
窓を開けたまま空っぽの部屋で身支度をした。

家を出る準備をしながら携帯を見ると、
昨晩遅くにラインが届いていたことに気がついた。
父からだった。

父からのライン

ラインを見て、あぁそっかぁ、遠くなるんだぁ、と初めて思った。

今日、関西から東京へ引っ越す。
前日まで割といろいろなことをぐるぐる考えていたけれど、朝になるとかなりスッキリしていた。
むしろ「今日から東京に住む!」ということに、胸が高鳴って予定よりも2時間も早く目が覚めた。

東京をあまり遠いと感じていなかった私は
(正確にいうと帰りたくなったらすぐ帰れる距離だと感じていた)、
父の「遠くなるけど頑張れよー」に、急になんだか切なくなりだして、
今更ながら、東京に行ったら家族にもなかなか会えなくなるのか…
と寂しくなって家を出る前からちょっとだけ泣きそうだった。

飼っている小鳥のゲージを抱き抱えて家を出ようとした時、
ちょうど同居人の友人が夜勤から帰ってきて、最後に会うことができた。
すでに涙腺が緩んでいた私は、お別れの言葉を言った途端泣き出した友人の涙につられて、
抱き合いながら笑い泣きをした。2年間のルームシェアはなかなか楽しかった。

少しの荷物とゲージを抱えて、「ほな、またね!」と笑顔で家を出た。

新大阪駅から新幹線に乗って、ついに東京へ到着。
不動産屋さんから鍵を受け取って、最寄り駅に着いた。

見慣れない街、人の波、よくわからない電車の路線図、安堵からくる眠気、
葉桜、洋食屋さんから漂ってくるいい匂い、腕の中のゲージからピロロと元気な鳴き声。

東京の風景

顔は晴れて、また胸は高鳴りだした。
これからどうなるんやろなぁ~、頑張らなあかんな~!
なんてドキドキしながら、新居へ向かう道で、これからのことを考えた。

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