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2021年11月号

風に消えていった、あの頃の言の葉たち。

こんにちは、広告制作を担当しています鶴田です。
わたしの父親は映画が好きな人で、
小さい頃はちょくちょく映画館へ連れて行ってもらっていました。
その影響か、わたしも映画が好きになり、
中学生の頃はクラブ活動が終わってから、
公開前の作品が無料で観られる試写会などへ出かけていました。

またその当時は名画座といって、
封切りから時間がたった作品が3本立てで安く上映されていて、
よく通っていました。何しろレンタルビデオやDVDなんかない時代に、
中学の三年間で300本くらいは観たでしょうか。

そして観た作品について、コメントを書き、
生意気にも、芸術性、ストーリー性、感動度、などの項目ごとに得点をつけて、
自分だけのランキングを楽しんでいました。
そのノートは「映画日記」というタイトルで、
300本あまりの映画の感想が記されていたのです。

しかし高校生になったわたしは、音楽に目覚め、
映画から徐々に遠ざかるようになりました。
そして月日は流れ、引っ越しを繰り返すうちに、
そのノートはどこかへ行ってしまいました。

今、還暦を過ぎた自分は、
あの40数年前の自分の言葉たちに再会すると、
どんなふうに感じるのだろうと、ふと思い出すことがあります。

でももう読めないと思うとすごくくやしくて。
当時の写真はまだたくさん残っています。
でもそれはどんなカメラにも映せないあの当時の心の風景。
その映画日記はいわば心の日記みたいなものだったと思います。

夢中で観た数々の映画。
作品は覚えていますが、それを観てどう感じたか、
どう思ったかはもう覚えていません。
あの時のあの年齢でしか感じれなかったものって何だったのだろう。

言葉は時間を超えて、その当時の自分や誰かに出会わせてくるものです。
そこには時間を超えた自分との対話が生まれ、
今という時の意味が更新されるような気がします。

そして私の好きなあの「ニューシネマパラダイス」のラストシーンのように、
未来を輝かせてくれるものだと、わたしは思うのです。

そんなふうに時に寄り添った言葉を大切にすることで、
人はもっとやさしくなれるんじゃないかなぁ。
しかし、あの日記、今読みたいなぁ。

映画のワンシーン
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