2023年3月号
愛/喜
愛という漢字がありますよね。
その成り立ちは、なんと後ろを顧みて立つ人の姿だそうです。
後ろ髪を引かれながら、心残りを感じながら、立ち去ろうとする人の姿だとか。
古語では「愛し」でかなしと読み、いとしくて、切ないくらいかわいい、
身にしみて心ひかれる思いという意味らしいのですが、
そこに西洋のLOVEという大きな意味も加わって今の「愛」に行き着いたみたいです。
愛、その言葉ひとつだけで、いろんな解釈もあるでしょうが、
人それぞれが感じる愛は愛として心で通じ合うから不思議です。
日本の愛は多面的で奥深いんですね。
喜という漢字は太鼓と口を組み合わせたかたちなのだそう。
「太鼓をうちながら歌い、神さまを楽しませる」様子を表しているらしいんです。
ただし、歌っているといっても、当時の流行りの歌ではありません。
中国の古代において、それは神さまに捧げる祈りの歌であったようです。
ていうことは、「喜」という漢字の本来の意味は、神さまに対して祈りの歌を捧げる、
というようなことなのですね。
この漢字を見ていると、神さまが笑って喜んでいる様子が垣間見えませんか?