2023年7月号
時を刻む。

四季がある日本。
私たちはこころに刻まれる時も、
それぞれの時の気温や匂い、色など、
肌で感じる季節とともにあるような気がします。
和歌や俳句などもこのような四季がある国だからこそ、
生まれ、詠まれつづけてきたのだと思いますが、
皆さんはどのように季節を感じているのでしょうか。
季節ごとの鳥や虫、植物、天候などが、
七十二の言葉になっている七十二候。
約5日ごとの自然の移りゆきを知ることで、
季節の流れや奥行きを感じさせてくれます。

【夏至】 末候
半夏生ず(はんげしょうず)
7月1日~7月6日頃
半夏とはサトイモ科の「烏柄杓 (からすびしゃく)」の別名だそうで、
夏の半ばに山道や畑などに生え始めるのだとか。
また農家にとっては田植えを終える目安の日とされたそうです。
節目節目に自然あり。季節とともに培ってきたこのような風習も日本ならではではないでしょうか。
年々歳々花相似
歳々年々人不同
「年年歳歳、花あい似たり、歳歳年年、人同じからず」と読みます。
毎年同じように花は咲くけれど、
その花を見ている人は、
毎年変わって同じではない。
自然が変わらないのに対して、
人も人の世も移りやすいという、唐詩の一節です。
無常感もありますが、今が今でしかない、
何でもないこの一日をかけがえのないものとして
大切にしたいという気持ちにもさせてくれる詩ですね。
そんな時を刻みながら、ゆっくり、じっくり毎日を楽しめたら…。
そんなこんなを思い巡らせる今日でした。