2024年4月号
今日という日を、押し花のように

こんにちは、日野わかなです。
空も山も海も街も、色鮮やかに映る季節。
いろんな花も咲き揃い、やっぱり春はいいなあって思います。
ところで皆さんは、押し花ってつくったことがありますか。
私も思い出してみると、ずっと前の子どもの頃、新聞紙や電話帳にはさんで、
四葉のクローバーや夏休みの宿題で朝顔の押し花をつくったことがあります。
考えてみると、押し花って時をとどめておくひとつの知恵なのですね。
日本では古来から、女性が押し葉・押し花を趣味としてつくっていたそうですが、
江戸時代には作家の滝沢馬琴が押し葉帳をつくっていたとか。
その当時、園芸が流行し、朝顔などのコレクションとして、
たくさんの人たちも押し葉帳をつくっていたらしいのですね。
今では、乾燥技術や保管技術が進歩して押し花にとどまらず、
研究材料などとしてはスキャンなど幅広い残し方があるそうです。
でも私はちょっと色褪せた、でも鮮やかさを残した昔ながらの押し花が好きかな。
ちょっと古い写真を見ているような感じがして。
ところで花にまつわる言葉はいろいろあります。
努力が実ったり活躍できたりすること
「花を咲かせる」
華やかさや明るさをプラスすること
「花を添える」
誰かを立てて功をゆずること
「花を持たせる」
才能が開花したり成果が現れること
「花ひらく」
こんな言葉を想うと、花って人々の心を芳しくする素敵な存在なのですね。
今日という日が花ならば、心に刻んでおきたいこともたくさんあるはず。
そんな気持ちを押し花のように残しておけたら、いいな。
明日も花も実もある時を過ごせますように。
