2024年8月号
井戸の茶碗

お久しぶりです、あいうえる新入社員2号です!
今回は少し僕の好きな古典落語の話をひとつまみ。
最近はYouTubeで落語を見られる時代になりました。
Google社によるアルゴリズムに翻弄され、
あれよあれよとハマったのが僕です(笑)
最初は古今亭志ん朝さんを好んで聴いていたのですが、
上方落語の良さもだんだんとわかるようになり、
今では現代落語も聴いています。
さて、皆さんが思う落語の良さってなんですか?
僕は、今も昔も日本人は変わってないんだと感じることが好きです。
例えば、僕の好きな噺の「井戸の茶碗」。
ざっくり言うと、貧乏な家庭の井戸の茶碗をくず屋に売って、
裕福な家庭の方が買い取り、
茶碗を磨くと小判が50両も出てくるのですが、
その50両をめぐって両者が譲り合うと言うお話です。
とても感動的なお話なのですが、
これって今もお母さん方が、
玄関前でよくやっている光景ですよね。
僕が小さい頃、何気なく見ていた光景って、
きっと江戸時代の子供たちも
見ていた光景なんですよね。
あと、男が失敗する時も同じなのです。
「芝浜」とかもこういった類の噺です。
でも、ダメダメなやつでも
やっぱりどこか改心して努力したりすると、
人としての深みが出て応援したくなります。
これも今と同じなんです。
結局、落語を聴いてると、
譲り合いの精神だったり、おもてなしの精神だったり、
他者を思いやる気持ちって、実は時代を通しても変わってなくて、
日本人は今もやっぱり日本人らしいんです。
そういった精神を今もこの時代に語り継いでいる噺家さんは、
やっぱり偉大で、大事にしなきゃいけない
文化なんだろうと僕は思います。
お後がよろしいようで。
