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2024年9月号

行き合いの空

春夏の終わりと秋の始まりを表現する季語、
それが行き合いの空(ゆきあいのそら)です。

残暑も厳しいと思いますが、
空を見上げると少し高くなっているような、
そして風も秋の匂いを少しずつ運んできます。
入道雲と鰯雲が同じ空にあらわれる日もあるようですよ。

行き合いの空での夏から秋へ移りゆくグラデーションは、
人が気づかないくらいゆっくりと変化しています。

二十四節気で言えば春分。
春眠暁を覚えずなんて言われますが、目覚まし時計がなってもまだ夢心地な方も多いと思います。
さぁ何もかもが始まる季節、今日はどんな日になるのでしょうか。

草露白

【白露】 初候 草露白し(くさのつゆしろし) 9月7日〜9月11日頃

この時期は、二十四節気では「処暑」から「白露」へ。
そして七十二候では、「草露白(くさのつゆしろし)」と言われています。

朝晩の気温が下がり、草には白く光る露が現れます。
草むらを歩けばひんやりと足が濡れる露時雨。
この露も秋の季語だそうですね。
肌で感じる季節をていねいに表現している日本語って、
ほんとうに素晴らしいと思いませんか。

また、白露の「白」も日本文化に深くかかわっている中国伝来の五行説では、
白は秋の色なのだそうです。
そんなところから、秋は、白秋とも言われるとか。
でも最近、秋がだんだん短くなっているように感じるのは私だけなのでしょうか。
紅葉や心地よい高さの空をゆっくりと楽しみ、
旬の味覚もじっくり味わいたい私としてはちょっとさみしいような。

皆さんのところでは、そろそろ虫たちの歌が聞こえてきませんか。
そんな季節の移ろいを五感で感じられるような、そんな毎日が、いいな。

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