2024年11月号
わかなのをと



破顔一笑、と聞いて皆さんはどんな表情を思い浮かべますか。
「顔が破れる」と書くので、表情を崩して大笑いするような、そんな印象があるのではないでしょうか。
実はそんな大笑いはしていません(笑)
「破顔」は顔をほころばせること、そして「一笑」は軽く笑うという意味なんですね。
嬉しくて顔がほころび、軽く微笑んでいるイメージでしょうか。
そもそも「笑む」のもともとの意味は、つぼみがほころびるということらしく、破顔一笑とは、自分の中で溜め込んでいたいろんな気が解き放たれ、まるで花が咲くように、顔に優しくあらわれるというような笑顔のことなのです。
私が、赤ちゃんだった頃の記憶はもうないのですが、赤ちゃんの笑顔って、言葉にならないものや、言葉になる前の何かを面白く感じて、本当に嬉しい、楽しいという表情をしますよね。
まるで体の底から笑いが込み上げてくるように。
笑いって、言葉や意味など関係なく、喜びで命がくすぐられるようなものであるとしたら、私たちはもともと心の奥の奥でずっと笑っているのかもしれません。
生きているというのは、本来ご機嫌なことで、私たちはずっと笑いたがってるのでしょうか。
「面白い」の「面」は「顔」、「白い」は「パッと明るくなる」ということらしのですが、面白いのもともとは、目の前のきれいな景色などを見て、顔がパッと輝くことだと言われています。
破顔一笑、面白いことに出会って、込み上げてくる笑顔が抑えきれないような、そんな顔が破れるような今日でありますように…