2024年12月号
ことばの歳時記
早いもので今年も年末を迎えました。
皆さんはどんな一年でしたか。
さて、タイトルにあります言葉「一陽来復」。これは、
1.陰が窮まって陽にかえること、冬至。
2.冬が去り、新年がくること。
3.悪いことが続いたあと、ようやく好運に向かうこと。
などの意味があります。
一年を立春から大寒までの二十四節気にわけると、冬至が陰の極点となります。
だからこの日から、陽がふたたび増してくることになります。
そして冬至と言えば、かぼちゃ。
なぜなのかと言えば、カロテンやビタミン、食物繊維をたっぷり含んでいて、新鮮な野菜が少なくなる時期、冬を乗り切るためにも栄養をつけようと、明治以降に始まった習慣だそうです。
「ふゆ」という言葉。これは実は、種の姿が由来になっているという話もあります。
種が「殖(ふ)ゆ」「振(ふ)ゆ」「震(ふる)う」季節ということで、じっと眠っていた種たちが発動する、かすかに震え始める、という意味からきているとか。
冬至を過ぎれば、植物の種たちも中に命の力を溜めて、発芽の日に備えます。
今からは、そんな力を蓄えたり、増やしたりしていく時期なのです。
私たちも種にならって、新しい年への希望や夢を、そしてそれを叶える力を、自分の中に蓄えておきたいものですよね。